2010年9月12日日曜日

外来生物対策シンポジウムに行ってきました

先日申し込んでいた「みんなで防ごう!生物多様性第3の危機!!」のシンポジウムに参加してきました。
一番の目的は、アルゼンチンアリ対策の事例発表ですが、
アルゼンチンアリと同じく特定外来生物とされているアライグマの事例も。

長丁場でしたが、アルゼンチンアリとアライグマ、
それぞれの対策について、専門家の方のお話を聴いてきました。
そのまとめ。




外来生物対策シンポジウムの概要


第3の危機とは


これまでに1次的危機、2次的危機があったのかと思いましたが、そうではなく、
生物の多様性に関する危機が3つに分けられていて、その3つ目という意味の”第3”ということ。
1つめの危機は、人間の活動による生態系の変化が原因となるもの。
⇒例えば)開発事業によって干潟が現象した。
2つめの危機は、人間の活動低下による生態系の変化が原因となるもの。
⇒例えば)里山地域に人手がはいらなくなって土地が荒れた。
そして3つめの危機が、外来種による生態系の変化が原因となるもの。
⇒例えば)アルゼンチンアリの侵入・拡大で在来種のアリが駆逐された。

外来生物と特定外来生物


特定かそうでないかで、外来生物への対応は違うようです。
人間の活動によって、他の地域から入ってきた生物(動物も植物も)のことを外来生物と呼ぶそうですが、
その中でも、自然環境や農作物への被害を及ぼすようなものとして
国で指定されているのが、特定外来生物。
アルゼンチンアリとアライグマも特定外来生物ですが、
数年前に話題になった、ブルーギル、セアカゴケグモやカミツキガメなどもその一例です。
昔からなじみのあるウシガエルも特定外来生物だというのは意外でした。
特定外来生物は、輸入するのはもちろんのこと、
飼育や栽培をすることも、保管することも、野外に放ったり植えたりすることも、
外来生物法という法律で原則的に禁止されています。
これに違反すると、3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金が課されるということです。

アルゼンチンアリ対策


本日の一番の目的、アルゼンチンアリ対策については
アルゼンチンアリ対策広域行政協議会・岩国市環境保全課の方から、岩国市の事例紹介でした。
概要をざっくりまとめます。

アルゼンチンアリとは


  • 南米原産のアリ
  • 世界的に拡散している
  • 2005年に特定外来生物として指定

アルゼンチンアリの特徴


  • スーパーコロニーを作って複数の巣を往来する
  • 在来種のアリと比べて約3倍という早い動き

被害実態


  • 生態系の破壊(シロアリやムカデが現象した!)
  • 農作物被害(害虫であるアリマキと共生!イチジクを食べた!)
  • 屋内侵入(学校の生徒の弁当に群がっていた!)

岩国市の防除実験結果


  • 一斉防除の直後には現象するものの、時間を経て再び増加する。
  • 連続して防除を行う必要。

アルゼンチンアリの動きがいかに早いのか、動画での紹介もありました。
シロアリやムカデがアルゼンチンアリのおかげでいなくなった
というような情報もあるようですが、
少なくともうちではムカデも共生しているようで、他の複合的な要因ではと思ったり。。。
廿日市市のページに詳しく、実は、すでに知っていた内容が多かったです。
(参考)廿日市市/環境・生活/アルゼンチンアリ

アライグマ対策


アライグマが特定外来生物であることはもちろん、
近年増えていて対策が必要であるということも知りませんでした。
アライグマといえばアニメの「あらいぐまラスカル」のかわいい動物のイメージなのですが、
それが仇となって、被害拡大につながったということ。
「あらいぐまラスカル」は、ものすごく大雑把にいうと、
アライグマの赤ちゃんを拾った少年が飼いはじめるけれど、成長するにつれて手に負えなくなり、
野生に放さざるを得なくなったというストーリー。
このストーリーと同じことがそのまま、日本で起こっているということ。
赤ちゃんのうちは愛くるしくて飼いはじめてしまうものの、成長したアライグマは、
そのスピード、瞬発力やパワーなど、他の中型動物の比ではないぐらいすさまじいもので、
いずれ逃亡されるか、やがて手に負えなくなって放されるかのいずれかなのだそうです。
要するに、アライグマは飼育には向いていない動物ということ。

特定外来生物への対応


アルゼンチンアリは広島、山口などで拡大しており、
香川ではアライグマやヌートリアといった特定外来生物が増えているということ。
外来生物はだいだい約10年の潜伏期間を経て、爆発的な増加をみせるそうで、
今年がどうやらその10年目にあたるということ。
アルゼンチンアリのことで頭がいっぱいの状態でしたが、
アライグマの被害状況を聞いていると、アルゼンチンアリの被害なんてかわいいものかなと思えたりもしました。
爆発的に増えてしまう前に、地域ぐるみや自治体ぐるみでの対応が必要で、
特定外来生物を見つけたら、とにかく行政へ連絡をということ。
行政として体制ができていないところがあるのもいたしかたなく、
そんな時も、粘り強く、特定外来生物への対応を要請してくださいって話でした。
住んでいる地域では今のところ、幸いにしてアライグマの被害は出ていないようで、
現実問題としては、アルゼンチンアリ駆除の薬剤費用に助成金が出ないものかなというのが
今一番の私の思いではあります。